政治団体 経済人・大阪維新の会

堺屋太一最高顧問メッセージ
「大阪が変われば日本が変わる。大阪維新を成功させよう。」

「経済人・大阪維新の会」の考え

1.大阪が発展するためには改革が必要です!

 経済人の目からは、まず大阪の経済的な発展を望みます。ここ10年間における企業本社の大阪府外への転出超過は、901社を数え(※)、経済の地盤沈下が続いています。もともと大阪は発展する「伸びしろ」が大きいのですが、行政や議会のあり方のため、発展が阻害されています。今こそ、「大阪都構想」を実現して、経済的、文化的にも豊かな大阪をつくりましょう。大阪に地方分権、地域主権を呼び込み、自らの力で改革を成し遂げましょう。そのために当会も、大いに努力をいたします。

※ 2005年~2014年,帝国データバンク「大阪府・本社移転企業調査」による。
なお、橋下・松井体制になった2012年以降、転出超過数は縮小傾向にある。

(1)大阪経済の低迷・貧困化

大阪の経済は、訪日外国人効果などで目下、持ち直していますが、足腰が強くなったとは言えません。今後も中国人観光客の「爆買い」が続き、経済を下支えしてくれると考えるのは、安易です。大阪に企業が回帰し、いくつもの産業が持ち直し、雇用(特に正規雇用)が増えないことには、大阪経済が再生に向かい始めたとは言えません。我々は、日本経済の長期低迷も憂慮していますが、その中でも特に大阪の凋落が著しいことを問題視しています(図表「大阪の現状01~04」参照)。
大阪市では、年収200万円未満の世帯が26%を占めます(※1)。大阪市では、18人に1人が生活保護を受けています(平成27年5月,現状01参照)が、これはとてつもない数字です。生活保護一歩手前の人や、税を負担していない層が多く存在しますので、17人で1人を支えているわけではありません(※2)。そのような社会(都市)に持続可能性はあるでしょうか。人口減少高齢化により高齢の受給者がますます増えることが予想される中、大阪経済の強化、雇用の拡大は喫緊の課題です。
※1 平成20年「住宅・土地統計調査」による。同調査では、東京特別区は12%である。
※2 生活保護費は、国が4分の3を負担しているが、国を支えているのは、税を負担している国民
である。都市としての持続可能性をイメージするために、あえてこのような表現をしている。

大阪の現状 「大阪維新の会」ホームページから

生活保護率ワースト1位 生活保護率ワースト1位 生活保護率ワースト1位 生活保護率ワースト1位
(2)社会の劣化(各種指標でワースト上位)

 我々は、大阪の社会の健全度も心配しています。社会の健全度を示す各種指標において、大阪がワースト上位を占めています(図表参照)。よく、このような大阪を自虐的に茶化す人がいますが、笑いごとではありません。「お笑い」は大阪の文化ですが、自分自身を卑下することは、前向きなエネルギーを削いでしまいます。後世代のためにも、慎みたいものです。

都道府県別ランキング 大阪府の順位
(3)子どもの学力が低い

 大阪の子どもの学力について、近年の努力の成果が徐々に現れつつあるものの、いまだ低位に甘んじている(2015年全国学力テスト都道府県順位43位)ことは、深刻な問題です。維新の政策で、教育環境の改善が随分と進みましたが、この歩みを緩めてはなりません。子どもたちが未来を切り拓いていけるよう、高い学力を身につけさせることは、我々大人の責任です。特に、貧困が原因で十分な教育を受けられず、貧困が受け継がれる負の連鎖は、断ち切りたいものです。

(4)大阪が抱える根本問題
①大阪全体で一体的な政策を推し進められない。
○「二元行政」「双頭体制」のため政策が前に進まない。

大阪全体で一体的に政策を進められないことは、大阪の決定的な弱みです。大阪全体を見渡したインフラ整備など、事業環境の整備が進みにくい体制は、経済活動にマイナスです。企業が大阪を離れていったことと無縁ではないと考えます。
また、国の中央集権体制の中で、中央から見た場合、大阪府と大阪市がいがみあっていることは、大阪をコントロールする上で都合の良い面もあったと言われています(いわゆる分断政策)。

○社会の変化のスピードについていけない。

世界の情勢はめまぐるしく動いています。「二元行政」「双頭体制」では、大阪は社会の変化のスピードについていけません。
国の借金が1000兆円(GDPの2倍以上)を超えた中、中央が地方を支える体制(中央集権体制)は、もたないと思われます。大阪が、潜在力を発揮し、自立していくためにも、もはや内輪でもめている場合ではありません。

②区長がビジョンを語れない。
○住民から遠い「中之島」

10年ほど前のことです。大阪市のある区長に、ある会合で、区のビジョンを話して欲しいとお願いしたところ、「そんなこと前例がない」と断られたことがあります。その時は大変ショックでしたが、なぜそのような反応になるか、あとになってわかりました。当時の区長は、予算編成権限のほとんどない公務員であり(今も制度は基本的に変わっていません)、区のビジョンを語れと望む方に無理があったのです。そのような状況では、住民が区長に、身の回りのことを訴えたり提案したりすることは、なかなかできません。住民にとって大事なことが、遠い「中之島」で決められ、そこに住民の声は届きにくい体制になっています。これでは、住民自治はなかなか実現しません。

③大阪市がまたもや無謀な事業に手を出しかねない。

過去に大阪市は、様々な事業に手を出し、ことごとく失敗してきました(図表「大阪市 負の遺産」参照)。その損失総額は数千億円に上り、容赦なく借金として大阪市民の肩にのしかかっています。「同じようなことは繰り返されない」という主張があります。しかし、大阪市に大規模事業を手掛ける権限がある限り(つまり、現在の体制のままでは)、そのような保障はどこにもありません。

図表 大阪市 負の遺産 (作成:大阪維新の会)

④メリットが明らかな政策が進まない。
○地下鉄民営化、府大・市大の統合など

我々経済人から見た場合、地下鉄は民営化した方がよいことは明らかです。府大・市大も、ひとつになって、相乗効果を発揮すべきです。これら案件が議会で止まっていることは、大変残念なことです。しかも、大阪市議会の議論が見えにくく不可解であり、失望を禁じ得ません。

⑤議会に慣れ合いが見られる。

これは全国に言えることですが、地方議会において、特定政党が過半数を占めることは極めて難しい仕組みになっています。1選挙区における定員の関係で、各党が仲良く議席を分け合う姿が多々見られます。ここに慣れ合いが生じる素地があるのではないでしょうか。議員の価値観が分散することは、議会の意思が極端に振れるリスクを抑える一方で、思い切って舵を切ることができないという側面もあります。価値観の異なる政党が、もし選挙協力を行った場合においては、その傾向は一層顕著になります。
我々は、大阪に限らず、地方議会のあり方にも疑問を有しています。

2.大阪の根本問題を解決する「大阪都構想」

(1)大阪全体に関わる政策を一体的に進められる。

①政策の「選択と集中」を可能にし、経済にはプラス。

大阪全体に関わる広域行政を一元化して行うと、「選択と集中」が可能になり、より高い投資効果を得られるようになります。よく二重行政に関して、「施設が二重にあっても、利用率が高いならば、必ずしも悪いことではない」という議論がありますが、意図的に議論の次元を下げているように感じます。
「ベクトル」を勉強した人ならすぐにわかりますが、「二元行政」は、せっかく投入した資源とエネルギーを削いでしまったり、相殺してしまうのです。諺で言えば、現時点の大阪は「船頭多くして船山に登る」体制と言えなくもありません(※)。

  • ※現在は、大阪府知事と大阪市長の価値観が、歴史上かつてなかったほど、ほぼ一致しているために、この弊害が少なく済んでいる。
②迅速かつダイナミックに政策を進められる。

「双頭体制」を改め、広域行政を一元的に進められる体制になれば、迅速かつダイナミックに政策を進められるようになります。よく「大阪都知事を誕生させれば、知事の権限が強大になり、あらぬ方向に暴走する可能性がある」という議論があります。この議論は、次の視点を欠いています。
○大阪都知事は大阪都議会のチェックを受ける。
○メディアのチェックを受ける。
○何よりも有権者のチェックを受ける。
(選挙で首をすげかえることができる。)
大阪人は、暴走する首長を選んでしまうほど愚かでしょうか。大阪人の目が節穴とは思いません。
世界は、激しい都市間競争の時代に突入しています。迅速かつダイナミックな意思決定ができない都市に、勝ち目はありません。もし失敗することがあっても、すぐに引き返すことができます。現在の大阪の体制は、試行錯誤を重ねることすらできない、袋小路に入っているようなものと言えなくもありません。前向きなチャレンジなくして、発展はないものと考えます。

(2)区長がビジョンを語れる。

①区長の目が地域に行き届く。

「大阪都構想」では、現在の大阪市域に5~6つの特別区を設置し、区長を選挙で選び、区議会も設置する、としています。そして、区長には大幅な予算編成権を付与するとしています。この「区長公選制」は、現大阪市域における基礎自治行政、住民自治を大きく発展させると考えられます。これまで、人口260万人の大阪市を、首長(大阪市長)一人が見ていました。この体制では、住民の生活実態をきめ細かく把握することは困難でした。人口50万人前後の特別区を設置することにより、各区長は、より住民に近いところで住民に接することができるようになり、区長の目が地域に行き届くようになります。

②行政が住民に近くなる。

「自分たちの区長を自分たちで選ぶ」「自分の声が区長に直接届く」「自分の提案が(妥当であれば)行政に活かされる」、こういった変革により、基礎自治行政は住民に近くなります。「自分たちのまちを自分たちで変えられる」という実感が湧けば、大阪人は覚醒するはずです。大阪人は、率直なモノ言いを好み、おせっかいを厭いません。特別区の設置は東京が先駆けていますが、大阪においては、東京とは異なった「おもろい」発展、発達も期待できるのではないでしょうか。

3.「大阪会議」ではダメなのか?

(1)利益相反案件ほど、話し合いで解決することは不可能。

 2015年5月17日に実施された「大阪都構想」を前にして、「大阪都構想」に反対する陣営は、「大阪会議(大阪戦略調整会議)」を対案として示しました。「大阪都構想」が住民投票で否決され、「大阪会議」が始まりました。
結論から言って、「大阪会議」は機能しないと考えます。「大阪会議」は、大阪府・大阪市・堺市の首長と議員で構成されていますが、利益相反案件(大阪が抱えている懸案事項)ほど、話し合いで一定の結論を出すことは不可能です。大阪府知事は大阪府の利益を守るのが使命です。大阪市長・堺市長は大阪市・堺市の利益を守るのが使命です。さらにそこに、価値観の異なる政党に所属する議員が参加します。このような立場の違いが存在する中で、利益相反案件に決着をつけることは至難の業です。否、不可能と考えるしかありません。

(2)歴史から学ぶべき。時間を空費する余裕はない。

「話し合いで解決できる」との主張は、歴史からの学びが少ないのではないでしょうか。人間の性(さが)を冷徹に洞察する必要があると考えられます。このような議論をいつまでも続けている余裕は、もはや残されていません。

4.カスミを追うような「大阪都構想」?

(1)経済効果額を示せと言う主張はナンセンス。

「大阪都構想」をめぐっては、財政効率化や節約の効果額ばかりをめぐる議論が繰り広げられました。「いくら節約できる」「いやできない」と。
しかし、「大阪都構想」は、「財政効果」もさることながら、「経済効果(経済が活性化し、事業者が利益を上げ、雇用が増え、個人の所得が増え、税収が増える効果)」にこそ、大いなる期待を寄せるべきです。
先述の通り、大阪は、一体的な政策を迅速かつダイナミックに展開することができない体制になっており、事業を展開するうえでの支障になっています。この大問題を改めることによって、世界中の事業者が大阪に目を向けると考えられます。徐々に企業が集まり、雇用が増え、個人の所得が増え、税収が増え、より魅力ある都市づくりに投資することが可能になるはずです。
ところが、この経済効果額を示せ、という反論があります。経済活動の主体は民間事業者です。行政や政党にそれを求めるのは、ナンセンスです。

(2)「坂の上の雲」を目指さずして発展なし。

 「大阪都構想」は、事業を展開するうえでの事業環境に劇的変化をもたらすものですが、だからといって、企業にとって「こういった事業が可能になる」といった具体的な事業計画にただちに直結するものではありません。
これからどのような産業が伸びるかを見極めることは、非常に難しいことです。民間事業者が新規事業に乗り出す場合、いちおう売上と利益の計画を立てます。しかしその3年後、5年後の売上と利益に確信を持っている企業はむしろ少ないはずです。実際の事業は、社会情勢を肌身で感じながら、常に本業を改善改革しつつ、新規事業にチャレンジするカタチで営まれています。いわば「坂の上の雲」を目指して努力することが、事業の厳然たる姿です。
よく『「大阪都構想」はカスミ(霞)を追うようなものだ。そういった実体のわからないものに労力を費やすべきではない。』という主張を耳にします。この主張は、経済活動の本質を見誤っています。我々の先人が、保障などどこにもない中で、絶えず「坂の上の雲」を目指してくれたからこそ、今日の日本、大阪があることを忘れてはいけません。

(3)大阪を一刻も早く「前向きに試行錯誤できる都市」に。

 世界は、激しい都市間競争に突入しています。失敗を恐れてチャレンジしない都市に、未来が拓けるとは考えられません。大阪を一刻も早く「前向きに試行錯誤できる都市」に改めるべきです。

(4)副首都を目指すためには強い大阪(大阪都)でなければならない。

 「異次元の金融緩和」に警鐘を鳴らす声は少なからず存在します。国の財政は、いつ破綻を迎えるかもしれません(国債の暴落に端を発するかもしれません)。中央が地方からお金を集め、それを分配還流するという仕組みそのものが成り立たなくなるかもしれません。
だとすれば、大阪が立ち上がり、世界中からヒト・モノ・カネを引き寄せるような魅力ある都市に作り変えて、自立していくことが肝要です。日本全国を見渡せば、独自の取り組みで活性化している地方が点在しています。大阪も負けていられません。
また、巨大地震が首都を襲う可能性もあります。今のままでは、東京が壊滅したら、日本は即死するかもしれません。日本に、首都をバックアップできる副首都は、必要です。大阪は本気で副首都を目指すべきです。

(5)住民サービスは「都構想」で低下しない。

 もし「大阪都構想」を実施し、特別区を設置すれば、現大阪市域の住民サービスが低下すると喧伝する人たちがいます。しかし、その論拠に確たるものはありません。
我々の所得や住民サービスをリンゴにたとえるならば、「大阪都構想」は、リンゴの木が植わっている土壌を入れ替えようとするものです。リンゴの木は、私たちの経済活動(一人ひとりの仕事の集積)に相当します。私たちは、リンゴの配分にばかり、目を奪われていてはいけません。住民サービスは、経済活動の成果たる税収によってもたらされます。土壌が良くなれば、リンゴは増えるのです。

大阪を過去に戻すべきか、前に進めるべきか、
答えは自ずから決まってこようものです。

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